106I75

45歳の男性。大工。天井作業中に使用していたノミが落下して左眼を受傷したため搬入された。左前眼部の写真を別に示す。
対応として適切なのはどれか。
絶対安静での経過観察
眼圧下降薬の点眼
副腎皮質ステロイドの点眼
強角膜縫合術
眼球摘出術

解答: d

106I75の解説

写真から、角膜と強膜に裂傷を認める。臨床的な緊急疾患としては眼球破裂が懸念されるが、いずれにしろ放置しても治らないので縫合するしかない。
a 無処置で戻ることは考えにくい。特に眼球破裂の場合、房水が流出し眼球癆となってしまう。
b 眼圧上昇は房水の産生過多か流出減少が原因となる。本症例では裂傷部位から房水が流れ低眼圧になることはあっても高眼圧にはならない。
c 第一に処置すべきは炎症ではない。
d 正しい。内部からの眼圧でその形状を保つべき眼球に裂傷が生じたのだから、縫合で創閉鎖を期待する。
e 眼球摘出は最終手段であり、主に悪性腫瘍が適応である(感染症や外傷、緑内障など、非悪性腫瘍でもごく一部適応となることはある)。

正答率:92%

テーマ:ノミが落下して左眼を受傷した大工への対応

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