106D56

76歳の女性。夕食後に突然激しい腹痛があり、2時間後に搬入された。腹部手術の既往はない。意識は清明。体温35.7℃。脈拍124/分、不整。血圧80/50mmHg。呼吸数24/分。SpO2 94%(room air)。腹部はやや硬く、全体に圧痛と軽度の腹膜刺激症状とを認めた。上腸間膜動脈塞栓症と診断し、直ちに開腹手術を施行した。手術所見ではTreitz靱帯の約120cm肛門側から回盲部までの小腸が壊死に陥っていた。
この患者が術後に吸収障害をきたすと予想されるのはどれか。2つ選べ
グルタミン
胆汁酸
ナトリウム
ビタミンB12
ブドウ糖

解答: b,d

106D56の解説

夕食後の激しい腹痛を主訴に来院した76歳女性。Treitz靱帯の約120cm肛門側から回盲部までの小腸とはすなわち回腸を意味する。本問は回腸で吸収されるものを選択する。
a グルタミンはアミノ酸(もとは蛋白質)であり、空腸で吸収される。
b 正しい。回腸末端で吸収される。
c ナトリウムは広範囲で吸収されるため、吸収障害とはならない。
d 正しい。胆汁酸とビタミンB12は回腸末端でのみ吸収される。
e 主に空腸で吸収される。

正答率:89%

テーマ:回腸から吸収される栄養素

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