106A23

65歳の男性。頸部腫瘤を主訴に来院した。6か月前から頸部に腫瘤を自覚しており、徐々に増大してきたため受診した。眼瞼結膜に貧血を認めない。左頸部に径2cmのリンパ節を3個、右腋窩に径2cmのリンパ節を1個触知する。いずれも弾性硬で圧痛はない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球398万、Hb 11.0g/dL、Ht 38%、白血球6,300、血小板23万。血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL、アルブミン4.8g/dL、尿素窒素19mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、総ビリルビン0.8mg/dL、AST 31U/L、ALT 28U/L、LD 447U/L(基準176~353)。胸腹部造影CTで縦隔リンパ節、腹腔内リンパ節および脾臓の腫大を認める。
次に行う検査として最も適切なのはどれか。
腹部超音波検査
ポジトロンエミッション断層撮影〈PET〉
上部消化管内視鏡検査
骨髄生検
頸部リンパ節生検

解答: e

106A23の解説

増大する頸部腫瘤を主訴に来院した高齢男性。腫大したリンパ節が「弾性硬で圧痛はない」という点から悪性リンパ腫を疑う。「次に」とあるので、生検をして病理診断による確定診断を行う。
a 既に胸腹部造影CTを施行しており、腹部超音波検査をする必要はない。
b PETにより病巣の広がりを見ることはできる。しかし、確定診断後に行うべきである。
c 本文中に消化器症状を示す箇所はなく、行う必要はない。
d 病期を決めるために骨髄生検は必要である。しかし、確定診断後に行うべきである。
e 正しい。病巣と思われる箇所(頸部)を生検する。

正答率:81%

テーマ:悪性リンパ腫に行う検査

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