105B16

我が国の近年の社会経済環境について正しいのはどれか。
ジニ係数は年々低下している。
生活保護の被保護者数は10年前と比べ増加している。
所得再分配の方法では社会保障の影響が減少傾向にある。
OECD諸国の中では完全失業率が高い国の一つである。
OECD諸国の中では相対的貧困率が低い国の一つである。

解答: b

105B16の解説

a ジニ係数は貧富の差を示す。この値は年々上昇している。
b 正しい。生活保護の被保護者数は10年前と比べれば増加している。が、平成30年のデータでは減少に転じており、単調増加しているとは言えない。
c 税や社会保障により高所得者から低所得者へ富を移転させることを「所得再分配」と呼ぶ。高所得者ほど税金が高くなる累進課税制度が好例であろう。ここでいう社会保障とは公的年金や医療・介護を指す。生活保護者の医療費が無料であることやbの選択肢を考えれば社会保障の影響が増加傾向にあることが分かる。
d 失業者が増えている、という報道などもあるが日本の完全失業率は2015年10月段階で3.1%である。フランス(10.0%)やイタリア(11.9%)と比べれははるかに低い。
e 日本の相対的貧困率は16%程度であり、OECD平均の11%より高い。
※貧富の差が拡大し(a)、貧困層による生活保護受給が増えている(b)。可処分所得が少なくても(e)、薄給で仕事を続け(d)、社会保障に貢献せねばならない(c)という日本の哀れな現状を皮肉った出題であり、出題者に座布団を1枚進呈したい。

正答率:90%

テーマ:近年の社会経済環境について

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