105D56

25歳の男性。自転車で転倒し右側頭部を強打したため搬入された。意識は清明。右顔面神経麻痺を認める。側頭骨高分解能CTを別に示す。
この患者に認められる可能性の高い症候はどれか。3つ選べ
嗄声
難聴
めまい
嗅覚障害
味覚障害

解答: b,c,e

105D56の解説

側頭骨骨折には大きく、横骨折と縦骨折の2種類がある。CTを確認すると、右側の横骨折であると分かる。内耳と内耳道を損傷するため、内耳症状(感音難聴・めまい)や顔面神経麻痺を起こす。対して、縦骨折では鼓室と外耳道が損傷するので伝音難聴や鼓膜裂傷を起こす。
a 嗄声は声帯の障害による。声帯付近の腫瘍や反回神経麻痺で生じる。
b・c 正しい。上記の通り。
d 嗅神経や嗅上皮の障害で生じるが、本症例の骨折部位とは全く異なる。
e 正しい。味覚は舌咽神経と鼓索神経によって支配される。本症例では、内耳を通る後者の障害となる。

正答率:89%

テーマ:側頭骨骨折の合併症

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