105A55

25歳の男性。排尿痛と膿性尿道分泌物とを主訴に来院した。1週前に性行為感染の機会があった。3日前から症状に気付き受診した。直腸指診で前立腺の腫大と圧痛とを認めない。尿所見:蛋白1+、糖(-)、潜血1+、沈渣に白血球多数/1視野、赤血球20~30/1視野。
診断のために行う検査はどれか。2つ選べ
尿培養
尿細胞診
尿道鏡検査
経直腸超音波検査
尿道分泌物Gram染色

解答: a,e

105A55の解説

排尿時痛の鑑別としては、膀胱炎、前立腺炎なども考えられるが、尿道分泌物の存在や陰嚢・前立腺に異常を認めないことから、尿道炎が最も考えられる。若年男性の排尿時痛では性感染症としての尿道炎が最も多く、女性では急性膀胱炎が最も多い。さらに、分泌物が膿性であり淋菌性尿道炎が疑わしいため培養と塗抹検査(Gram染色)で確認する必要がある。
a 正しい。淋菌性尿道炎でGram染色ではっきりとしない場合、培養することで原因を調べることができる。
b 細胞診は悪性細胞の有無と悪性度を明らかにする検査である。尿細胞診の場合、腎盂、尿道、膀胱の癌の検索に用いる。
c 膀胱鏡とも。膀胱や尿道の内腔を目視で確認することができる。膀胱癌の診断には非常に有用である。
d 男性で経直腸超音波検査を施行すると前立腺の形態や状態が腹部エコーよりもより詳細に分かる。しかし、本症例は前立腺は関係ない。
e 正しい。淋菌の場合、グラム陰性双球菌として観察される。また、多核白血球の貪食像がみられることもある。

正答率:79%

テーマ:淋菌性尿道炎の検査

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