105A48

3歳の男児。肩呼吸が続くことを主訴に来院した。2週前に上気道炎に罹患した。その後元気がなくなり、水分を欲しがることが多くなった。次第に頻尿と夜尿とを認めるようになり、肩で大きな息をするようになった。身長92cm(-1.0SD)、体重12.1kg(-1.4SD)。体温37.1℃。呼吸数32/分。脈拍104/分、整。血圧90/62mmHg。経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉99%。目はうつろで眼周囲はくぼみ、呼吸は速く肩を上下させている。陥没呼吸を認めない。会話は可能である。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部はやや膨隆しているが、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(-)、糖4+、ケトン体4+。血液所見:赤血球471万、Hb 13.8g/dL、Ht 43%、白血球11,200、血小板16万。血液生化学所見:血糖664mg/dL、総蛋白6.5g/dL、アルブミン4.2g/dL、尿素窒素8.1mg/dL、クレアチニン0.3mg/dL、AST 22U/L、ALT 18U/L、LD 437U/L(基準335~666)、Na 126mEq/L、K 3.9mEq/L、Cl 99mEq/L。CRP 0.1mg/dL。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.13、PaCO2 25Torr、PaO2 102Torr、HCO3- 8 mEq/L。
まず投与するのはどれか。
抗菌薬
生理食塩液
バソプレシン
20%ブドウ糖液
重炭酸ナトリウム

解答: b

105A48の解説

3歳男児の上気道炎に続発する過換気。血糖664mg/dl、尿糖4+、尿ケトン体4+より糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉とその代償としてのKussmaul呼吸である。
a CRPは基準値であり、現時点で細菌感染はない。
b 正しい。生理食塩液と速効型インスリン製剤の投与が望ましい。
c バソプレシンは抗利尿ホルモンであり、本病態の改善に寄与しない。
d 20%ブドウ糖液を投与してはさらに血糖値が上昇してしまう。禁忌。
e 重炭酸ナトリウムはアシドーシスの補正に用いるが、対症療法的であり「まず投与する」ものではない。

正答率:72%

テーマ:糖尿病性ケトアシドーシス〈DKA〉の治療

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