105A28

61歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。1年前から呼吸困難を自覚するようになり、この2か月で徐々に症状が増悪するようになった。最近6か月で3kgの体重増加を認めた。意識は清明。身長154cm、体重52kg。呼吸数18/分。脈拍84/分、整。血圧132/74mmHg。心尖部で3/6度の全収縮期雑音とIII音とを聴取する。呼吸音に異常を認めない。下腿に軽度の浮腫を認める。Holter心電図で明らかな異常を認めない。心エコー図(A、B)とカラードプラ心エコー図(C)とを別に示す。
最も考えられるのはどれか。
左房粘液腫
僧帽弁狭窄症
心室中隔欠損症
大動脈弁狭窄症
僧帽弁逸脱症候群

解答: e

105A28の解説

労作時の息切れを主訴に来院した61歳女性。体重増加、下腿浮腫を認めておりうっ血性心不全を考える。画像Aは長軸像であるが、それを僧帽弁領域で拡大した画像がBである。Bでは僧帽弁後尖が左房内へ落ち込んでおり、カラードプラ心エコーであるCでは左房内で乱流が生じていることから僧帽弁逸脱症〈MVP〉に伴う僧帽弁逆流症〈MR〉と診断する。MRに伴う心不全を発症しているのであろう。
a 心エコーで明らかな腫瘤は認めない。
b 僧帽弁狭窄症〈MS〉の雑音は拡張期ランブル音である。
c 心室中隔欠損症であれば心エコー図にて中隔の欠損や左室から右室への短絡血流を認める。
d 大動脈弁狭窄症〈AS〉では収縮期駆出性雑音を聴取したり、心エコー図で大動脈弁に石灰化を認めたりするはずである。
e 正しい。上述の通り。

正答率:75%

テーマ:僧帽弁逸脱症〈MVP〉の診断

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