104F23

26歳の男性。自動車にはねられ搬入された。上腹部痛を訴えている。意識は清明。呼吸数30/分。脈拍112/分、整。血圧82/48mmHg。血液所見:赤血球288万、Hb 9.1 g/dL、Ht 28%、白血球11,500、血小板16万。酸素吸入と輸液とを開始した。
次に行う検査はどれか。
上部消化管造影
内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉
腹部造影CT
ポジトロンエミッション断層撮影〈PET〉
上部消化管内視鏡検査

解答: c

104F23の解説

自動車にはねられ搬入された26歳男性。上腹部痛を訴えており、血圧82/48mmHgとショックバイタルである。Hb 9.1 g/dlと低下していることから出血性ショックが考えられる。ショックインデックス〈SI〉は脈拍数/収縮期血圧で表され、1.4であることから1~1.5Lほどの出血が示唆される。血行動態が不安定の状態では、時間がかかる検査は行うことができないことを考えると答えに結びつく。
a ショック状態で血行動態が不安定であることから行いづらい。
b 肝、胆、膵損傷などで行われるが、ショック状態では行いづらい。
c 正しい。まずは造影CTにて腹腔内出血、臓器損傷などを評価する。
d PETは癌の精査などで用いられる。
e 病態悪化をきたす可能性があるため腹部外傷の急性期では行わない。

正答率:82%

テーマ:出血性ショックの検査

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