104D57

7歳の男児。意思の疎通がとれないことを心配した両親に伴われて来院した。乳児期からあやされても喜ばず、3歳まで有意語がなかった。現在、日常会話はかろうじて可能だが、相手の言葉に対するオウム返しが多い。興味の対象が限られ、それに執着する傾向があり、決まった遊びをいつまでも繰り返す。いつもと違う状況になると不安になり大騒ぎする。IQは49。運動発達は良好である。
この患児で考えられるのはどれか。2つ選べ
人格障害
学習障害
精神遅滞
広汎性発達障害
注意欠陥多動性障害〈ADHD〉

解答: c,d

104D57の解説

意思の疎通がとれない、発語の遅れ、オウム返し、興味の限局、執着、反復、などといった記載より自閉症スペクトラム障害〈ASD〉を想起するのは容易。ASDはかつて広汎性発達障害に分類されていた(DSM-5では現在「広汎性発達障害」という用語は用いない)。
a 7歳段階では未だ人格形成が不十分であり、人格障害の診断は困難。
b・e 学習障害〈LD〉・ADHDともにASDに合併しうる病態であるが、この患児では記載がない。
c 正しい。精神遅滞はみられている。
d 正しい。上記の通り。

正答率:73%

テーマ:自閉症スペクトラム障害〈ASD〉について

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