104D41

36歳の男性。1か月前からの右膝関節の疼痛と腫脹とを主訴に来院した。右膝のエックス線写真(A)と生検組織のH-E染色標本(B)とを別に示す。
考えられるのはどれか。
類骨骨腫
骨芽細胞腫
骨巨細胞腫
軟骨芽細胞腫
非骨化性線維腫

解答: c

104D41の解説

30代男性の膝痛である。エックス線写真では(はっきりはしないが)soap bubble appearanceを認める。また、H-E染色では多核巨細胞を多数認め、骨巨細胞腫の診断となる。骨腫瘍では好発部位・好発年齢を知っておくことで鑑別が容易となる。
a 類骨骨腫は10〜20代の若年者に好発する良性腫瘍である。骨端部ではなく骨幹部に好発し、エックス線写真では境界明瞭な円形のnidusを認めるはずだ。
b 骨芽細胞が異常増殖し、骨形成が促進する(すなわち骨硬化する)病態。本症例ではエックス線上、過剰な骨化は指摘できない。
c 正しい。上記の通り。骨巨細胞腫は20〜30代の長管骨骨端に好発することも合わせて押さえておこう。
d 小児の骨端部に好発する良性腫瘍である。組織では骨巨細胞腫と同様に多核巨細胞を認めるが、同時に軟骨芽細胞も認め、より未分化である。発症年齢を考えても本問とは合致しない。
e 小児の骨幹部に生じることの多い良性腫瘍である。エックス線写真では、辺縁明瞭な骨透亮像を認める。

正答率:78%

テーマ:骨巨細胞腫の診断

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