104D36

67歳の男性。人間ドックでPSAの高値を指摘され来院した。既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。身長162cm、体重61kg。体温36.2℃。脈拍68/分、整。血圧128/72 mmHg。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。直腸診で鶏卵大、石様硬の前立腺を触知する。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球と白血球とを認めない。血液所見:赤血球440万、Hb 14.6 g/dL、Ht 44%、白血球5,800、血小板28万。PSA 203 ng/mL(基準4.0以下)。前立腺生検を施行した。骨シンチグラムを別に示す。
対応として適切なのはどれか。
経過観察
抗癌化学療法
ホルモン療法
前立腺全摘除術
密封小線源治療

解答: c

104D36の解説

前立腺癌の治療についてはよく問われるため理解しておきたい。
a 進行癌であり、治療の必要がある。
b 前立腺癌の薬物療法の基本はLHRHアゴニストやエストロゲン薬などのホルモン剤である。これらによる治療でPSA値が低下しているにもかかわらず、病勢の悪化が見られる場合を去勢抵抗性前立腺癌といい、この場合にのみ抗癌剤(ドセタキセル)が用いられる。
c 正しい。上記より、LHRHアゴニストや抗アンドロゲン薬などのホルモン療法が行われる。
d・e 前立腺内に癌が限局する場合は、放射線治療や全摘除術が施行される。

正答率:86%

テーマ:前立腺癌への対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし