104A30

50歳の男性。B型慢性肝炎で通院中に、腹部超音波検査で肝に単発の占拠性病変を指摘された。血液所見:赤血球440万、Hb 12.8g/dL、Ht 36%、白血球3,100、血小板13万。血液生化学所見:総ビリルビン1.1mg/dL、AST 49U/L、ALT 47U/L。腹部ダイナミックCT(A、B、C)を別に示す。
治療方針の決定に最も有用なのはどれか。
α1-アンチトリプシン法
グルカゴン負荷試験
線維化マーカー
BT-PABA試験
ICG試験

解答: e

104A30の解説

腹部ダイナミックCTにて肝右葉に腫瘤性病変を認める。動脈相にて周囲よりも早期に造影され、門脈相では低吸収域となっているため、肝細胞癌を疑う。
a 蛋白漏出性胃腸症での蛋白漏出の程度をみる検査。
b グルカゴン負荷試験は、グルカゴン静注によりインスリンを分泌させ、内因性インスリン分泌能を確認する糖尿病における検査である。
c 肝硬変の進行程度を確認するためのマーカーであり、治療方針には関係ない。
d BT-PABA試験は膵外分泌機能検査。慢性膵炎では外分泌機能が低下するため、有用である。
e 正しい。治療方針決定にはChild-Pugh分類が有用。しかしながら、肝切除を考慮する際には肝障害度も評価する必要があり、ICG 15分値を確認する運びとなる。

正答率:93%

テーマ:肝細胞癌〈HCC〉の治療方針決定に有用な検査

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