104I80

2歳の女児。4日前から続く発熱、下痢および血便を主訴に来院した。前日から尿回数が減少しており、今朝から排尿を認めない。意識は清明。顔色は不良で活気がない。眼瞼結膜に貧血を認める。眼球結膜に軽度の黄染を認める。眼瞼と下腿前面とに浮腫を認める。顔面と前胸部とに出血斑を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部はやや膨隆し全体に圧痛を認める。腸雑音は減弱している。右肋骨弓下に肝を1cm触知する。脾を触知しない。
この患児の血液検査所見として考えにくいのはどれか。
血小板 2.5万
尿素窒素 37mg/dL
総蛋白 4.0g/dL
総ビリルビン 3.6mg/dL
Hb 6.8g/dL
AST 356IU/L
クレアチニン 2.1mg/dL
LD 4,033IU/L(基準334~742)
ハプトグロビン 246mg/dL(基準38~179)

解答: i

104I80の解説

下痢および血便より腸炎を考える(流れ的に腸管出血性大腸菌感染であろう)。また、尿量減少があり腎障害もみられている。これに易出血性が加わっており、溶血性尿毒症症候群〈HUS〉と考えられる。
a 血栓形成により、消耗性に血小板は低下する。
b 消化管出血や腎障害により尿素窒素は上昇する。
c 腸管からの吸収不良により総蛋白は低下する。
d 溶血により総ビリルビンは上昇する。
e 溶血によりHbは減少する。
f 溶血によりASTは上昇する。
g 腎障害によりクレアチニンは上昇する。
h 溶血によりLDは上昇する。
i 誤り。溶血によりハプトグロビンは減少するはずだ。

正答率:89%

テーマ:溶血性尿毒症症候群〈HUS〉の検査所見

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