104I42

37歳の5回経産婦。分娩後の大量出血のため搬入された。妊娠37週時に自然破水後陣痛が発来し、自宅近くの診療所で1時間後に体重3,200gの男児を娩出した。Apgarスコア8点(1分)、9点(5分)であった。児娩出直後から中等量の性器出血が始まり、胎盤娩出後プロスタグランディンFとオキシトシンとが投与されたが出血が持続し外出血の総量が1,500gとなったため、救急車が要請された。脈拍112/分、整。血圧90/46 mmHg。血液所見:赤血球180万、Hb 5.6 g/dL、Ht 17%、白血球6,000、血小板6.2万。経腟超音波検査で子宮の形状は正常で内腔に異常を認めないが、Douglas窩に大量の液体貯留像を認める。
対応として適切なのはどれか。3つ選べ
輸血
抗DIC療法
子宮内容除去術
腹腔鏡手術
開腹手術

解答: a,b,e

104I42の解説

分娩後の大量出血を生じている37歳の5回経産婦である。児娩出直後から中等量の性器出血が始まり、胎盤娩出後プロスタグランディンF2αとオキシトシンとが投与されていることから、子宮収縮が不良であったと考えられる。脈拍112/分、血圧90/46 mmHgとショックを呈しており、経腟超音波検査でみられるDouglas窩の大量の液体貯留像からは内出血が示唆され、子宮破裂の診断となる。
a 正しい。赤血球180万、Hb 5.6 g/dl、Ht 17%であり、1,500gの外出血も認めているため、輸血は必要である。
b 正しい。血小板6.2万と低下しており、抗DIC療法は必要であろう。
c 除去すべき内容物はなく、臨床像も異なる。
d 子宮破裂は早急に対応すべき症候であり、腹腔鏡手術は有用でない。
e 正しい。子宮破裂の対応として直ちに開腹手術をすべきである。

正答率:84%

テーマ:子宮破裂疑いの治療

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