104H21

62歳の男性。3か月前からの体重減少、夜間の発汗および咳嗽を主訴に来院した。喫煙は50本/日を40年間。飲酒は日本酒5合/日を40年間。路上生活の経験がある。意識は清明。身長175cm、体重40kg。体温37.8℃。呼吸数24/分。脈拍104/分、整。血圧140/86mmHg。聴診で胸部全体にrhonchi〈いびき様音〉を聴取する。胸部エックス線写真で両上肺野に浸潤影と空洞を伴う辺縁不整な結節影とを認める。喀痰のGram染色で多数の白血球を認めるが、細菌は認めない。
考えられる起炎菌はどれか。
緑膿菌
結核菌
肺炎球菌
肺炎桿菌
レジオネラ菌

解答: b

104H21の解説

高齢男性における3か月前からの体重減少、夜間の発汗および咳嗽。路上生活という情報からは健康状態が悪く、易感染性であることを想定したい。胸部エックス線写真で両上肺野に浸潤影と空洞とがみられており、肺結核と考える。Gram染色所見も矛盾しない。
a・c・d これらの菌はGram染色で染まる。
b 正しい。上記の通り。
e レジオネラ菌はGram染色で染まらないが、温泉等で罹患することが多く、また3か月も遷延しない。

正答率:86%

テーマ:肺結核の診断

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