103D54

6歳の男児。5日前からの発熱と全身倦怠感とを主訴に来院した。心音と呼吸音とに異常を認めない。左右の頸部リンパ節を1cm触知する。右肋骨弓下に肝を6 cm、左肋骨弓下に脾を3cm触知する。血液所見:赤血球285万、Hb 9.1g/dL、白血球2,000、血小板8.1万、プロトロンビン時間60 %(基準80~120)、APTT 42秒(基準対照32.2)。血液生化学所見:フェリチン12,400ng/mL(基準20~120)、AST 384U/L、ALT 28U/L、LD 1,883U/L(基準260~530)。CRP 2.4mg/dL。骨髄塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。
診断はどれか。
血友病
血球貪食症候群
再生不良性貧血
急性リンパ性白血病
免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉

解答: b

103D54の解説

6歳男児の発熱と全身倦怠感。フェリチン12,400ng/mLと高度上昇していることが特異度の高い情報と言えよう。成人Still病、ヘモクロマトーシス、血球貪食症候群〈HPS〉の3つを候補に挙げる。頸部リンパ節腫脹、肝脾腫、汎血球減少、凝固異常などよりHPSが考えやすい。事実、画像ではマクロファージの血球貪食像がみられている。
a 血友病ではPT延長(本問はパーセント表記なので「低下」といった方が厳密か)しない。
b 正しい。上記の通り。
c 再生不良性貧血では凝固異常をみない。
d 急性リンパ性白血病では白血球数が増加することが多い。また、血球像も合致しない。
e 免疫性血小板減少性紫斑病〈ITP〉では赤血球と白血球は保たれる。

正答率:92%

テーマ:血球貪食症候群〈HPS〉の診断

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