103C28

次の文を読み、28、29の問いに答えよ。
28歳の女性。全身の皮疹と発熱のため搬入された。
現病歴:4日前から頭痛と咽頭痛とがあり、感冒薬を内服していた。3日前から発熱が持続し、眼球結膜の充血、口腔内びらん、顔面、体幹および四肢に皮疹が出現した。
既往歴:特記すべきことはない。
現 症:意識は清明。身長158 cm、体重49 kg。体温39.2 ℃。脈拍112/分、整。血圧104/72 mmHg。全身に紅色皮疹を認める。顔面の写真(A)と大腿部の写真(B)とを別に示す。
検査所見:尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)。血液所見:赤血球380万、Hb 10.8 g/dL、Ht 32 %、白血球9,400、血小板24万。血液生化学所見:総蛋白6.4 g/dL、アルブミン3.8 g/dL、尿素窒素5.5 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、AST 104 U/L、ALT 283 U/L、LD 487 U/L(基準176~353)、Na 129 mEq/L、K 3.8 mEq/L、Cl 94 mEq/L。CRP 15.8 mg/dL。
最も考えられるのはどれか。
薬疹
敗血症
アナフィラキシー
ウイルス性発疹症
播種性血管内凝固〈DIC〉

解答: a

103C28の解説

若年女性の全身の皮疹と発熱。4日前の感冒薬内服を契機とした症状と考えられ、薬疹を疑いたい。画像では顔面の粘膜や大腿部の紅斑が指摘でき、Stevens-Johnson症候群(体表面積の10%未満)や中毒性表皮壊死症〈TEN〉(体表面積の10%以上)と考えられる。
a 正しい。確定診断はつかないが、薬疹である可能性が最も高い。
b CRP高値ではあるも、薬疹であるため、感染症ではなさそうだ。
c アナフィラキシーでは膨疹が出現しやすい。血圧低下や呼吸困難もみられる。
d bでも示したように、感染症ではなさそうだ。
e 血小板数は維持されており、播種性血管内凝固〈DIC〉は否定的。

正答率:97%

テーマ:【長文1/2】Steavens-Johnsons症候群〈SJS〉の診断

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