103I24

腎細胞癌で正しいのはどれか。2つ選べ
肺転移を起こしやすい。
VHL遺伝子異常が関係する。
腫瘍塞栓が大動脈へ進展する。
転移巣の手術摘除は行わない。
長期透析症例では腎部分切除術を行う。

解答: a,b

103I24の解説

a 正しい。血行性転移を生じ、肺や肝臓、脳、骨などに転移する。
b 正しい。VHL遺伝子とはvon Hippel-Lindau遺伝子のことで癌抑制遺伝子の1つである。腎細胞癌はその多くが淡明細胞癌であるが、淡明細胞癌の多くにVHL遺伝子の変異を認めるという。VHL遺伝子の変異によって、腫瘍増殖因子であるTGFαや腫瘍血管の増殖因子であるPDGFやVEGF関連の遺伝子の転写調節因子の分解が障害される。
c 腎細胞癌は静脈内を進展しやすく、腫瘍塞栓を生じやすいのは腎静脈や下大静脈である。
d 遠隔転移がある場合は分子標的薬やIFNなどの薬物療法となる。ただし、限られた個数であれば手術可能なことがある。また主病巣である腎臓に対する摘出術も施行される場合あり。
e 透析患者では透析年数に応じて腎細胞癌が発症しやすいと言われている。行われるのは根治的腎摘除術であり、部分切除は行われない。

正答率:87%

テーマ:腎細胞癌〈RCC〉について

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