103A53

46歳の男性。両手の脱力を主訴に来院した。1年前から右手の筋力低下を認め、1か月前から左手の筋力低下が出現した。右側優位で両側上肢遠位部の筋力低下と筋萎縮とを認める。四肢腱反射は亢進し病的反射がみられる。感覚障害と膀胱障害とを認めない。血液生化学所見ではCK値は正常である。末梢神経伝導速度は正常である。推定される頸髄レベルでの病変の模式図(①~⑤)を別に示す。
適切なのはどれか。

解答: c

103A53の解説

中年男性の両手の脱力。遠位部の筋力低下と筋萎縮とを認めることから下位運動ニューロンの障害を考える。ところが四肢腱反射は亢進し病的反射がみられることから上位運動ニューロンも障害されている。感覚障害と膀胱障害とを認めていないことから、上位かつ下位の運動ニューロンのみが障害される病態である筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と考えられる。
a ①は後索(深部覚)。
b ②は側索(上位運動ニューロン)。
c 正しい。③は前角かつ側索が障害されており、ALSの病変部位に合致する。
d ④は側索と後索。亜急性脊髄連合変性症が考えやすい。
e ⑤は前角(下位運動ニューロン)。

正答率:68%

テーマ:筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉の脊髄断面における病変部位

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