102D57

65歳の男性。排尿困難と夜間頻尿とを主訴に来院した。直腸診で鶏卵大の前立腺を触知するが、硬結は認めない。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、沈渣に赤血球0~2/1視野、白血球1~3/1視野。PSA 1.2ng/mL(基準4.0以下)。1回排尿量200~250ml。国際前立腺症状スコア(軽症0~7、中等症8~19、重症20~35)とQOLスコアとを別に示す。
対応として適切なのはどれか。
抗菌薬投与
睡眠薬投与
α1遮断薬投与
抗男性ホルモン薬投与
経尿道的前立腺切除術

解答: c

102D57の解説

直腸診ではやや肥大した前立腺を認め、国際前立腺症状スコアでは中等症であり自覚症状としてQOLに不満があるため、治療の適応となる。
a 感染症ではないため不適切。
b 夜間頻尿に対して補助的に用いられることはあるが、根本的解決になっていない。
c 正しい。前立腺の平滑筋の収縮を阻害することで尿道狭窄を緩和する。前立腺肥大症では、程度にかかわらず自覚症状(排尿障害)があれば薬物治療を開始する。α1遮断薬は第一選択である。
d 前立腺肥大症の原因は男性ホルモンであるため抗男性ホルモン剤が用いられることもあるが、効果が出るまで時間を要し、副作用も強いためあまり用いられない。浸潤のある前立腺癌ではホルモン療法として用いられる。
e 経尿道的前立腺切除術〈TUR-P〉は重症・難治例で行われることがあるが、本症例はそこまで重症ではない。まずは薬物治療である。

正答率:93%

テーマ:前立腺肥大症〈BPH〉の治療

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