102D41

54歳の男性。腹痛と発熱とを主訴に来院した。1週前から体重の増加と腹部膨満とを認める。5年前から肝硬変で経過観察中である。眼球結膜に黄染を認める。腹部に波動を認め、腹部全体に軽度の圧痛を認める。腹水所見:淡黄色、比重1.012、蛋白2.1g/dL、アミラーゼ300U/L、白血球950/μL(好中球多数)。腹部エックス線単純写真立位像で異常を認めない。
最も考えられるのはどれか。
十二指腸潰瘍穿孔
急性膵炎
特発性細菌性腹膜炎
結核性腹膜炎
癌性腹膜炎

解答: c

102D41の解説

5年前から肝硬変を指摘されており、体重増加と腹部膨満、腹部に波動を認めることから腹水貯留が示唆される。腹部に圧痛を認めることと、腹水所見で好中球多数であることから、特発性細菌性腹膜炎を合併したものと考えられる。
a 腸穿孔の際は腹部エックス線にて腹腔内遊離ガス像を認める。
b 腹水中のアミラーゼは高値であるが、背部痛を訴えておらず、臨床経過としては合致しない。鑑別疾患として挙げることはできるが、最も疑われる疾患ではない。
c 正しい。肝硬変に特発性細菌性腹膜炎を合併した症例であろう。
d 結核性腹膜炎では腹水所見でリンパ球の上昇を認める。
e 癌性腹膜炎の場合は、滲出性腹水であり、蛋白増加を認めるはずである。

正答率:84%

テーマ:突発性細菌性腹膜炎の診断

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