102A28

32歳の男性。妻と子供とに暴言を吐くため、見かねた両親に伴われて来院した。高校2年生のとき、特にきっかけもなく元気がなくなり、3か月間学校を休んだことがある。その時は特に治療を受けずに回復し、その後は順調であった。3か月前から、職場で上司や同僚と口論することが増え、注意を受けると不機嫌になり、反抗的な態度を示すようになった。夜間や休日の外出が増え、浪費が著しい。普段は上機嫌でじょう舌だが、ちょっとしたことでいらいらして悪態をつく。妻が浪費を注意すると激昂して暴言を吐く。幼い子供が泣きやまないと怒鳴りつける。元々は機会飲酒程度であったが、最近は酒量が増えた。本人は、心身の不調は全く自覚しておらず、両親の懇願に応じてしぶしぶ受診したと言う。
考えられるのはどれか。
人格障害
躁うつ病
統合失調症
アルコール依存症
注意欠陥多動性障害〈ADHD〉

解答: b

102A28の解説

高校2年生時のエピソードはうつ病を考えさせる。一方、直近のエピソードは躁病を思わせる。躁うつ病〈双極性障害〉である。
a 人格障害〈パーソナリティ障害〉には境界型など様々な分類があるが、一般に思春期に発症し、変動はみられない。
b 正しい。上記の通り。
c 妄想や幻覚などがみられる。
d 酒量が増えたのは最近であり、アルコール依存症とは考えにくい。
e 注意欠陥多動性障害〈ADHD〉では不注意、多動性、衝動性がみられる。一部衝動的行為が本患者にはみられているも、総合的には臨床像が合致しない。

正答率:68%

テーマ:躁うつ病の診断

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