101G44

母指、示指、中指の知覚は正中神経支配であり、母指球筋の支配も正中神経支配である。手根管症候群の症例と考えられる。
ａ　しびれを鑑別する際に、障害部位として脳、脊髄、神経根、末梢神経を考える。脊髄損傷の場合、それに値するような受傷起点があるはずであり、より様々な部位での麻痺や脊髄ショックなどが認められるはずである。本問の状況とは一致しない。
ｂ　橈骨神経麻痺では、手関節の伸展が不可能となり下垂手が認められる。知覚領域は母指〜中指の背側である。
ｃ　肘部管症候群で障害されるのは尺骨神経であり小指と環指の一部の知覚麻痺、同部位の伸展不可能による鷲手を認める。
ｄ　正しい。麻痺部位や症状が一致する。
ｅ　多発性神経炎は左右対称に現れることが多い。本症例は明らかに片側の正中神経麻痺である。
※103I56の類問