101G1

32歳の初妊婦。前回までの妊婦健康診査では特に異常を指摘されていなかった。妊娠28週時に血圧164/100mmHg。下腿浮腫を認めるようになったので入院した。尿蛋白100mg/dL。安静と塩酸ヒドララジン投与とで経過をみていたが、1週後に視覚異常を訴えている。血圧172/112mmHg。腱反射は亢進している。治療薬はどれか。
フロセミド
塩酸リトドリン
硫酸マグネシウム
アンジオテンシン変換酵素阻害薬
エルゴメトリン(麦角アルカロイド)

解答: c

101G1の解説

妊娠28週時に血圧164/100mmHgであり、下腿浮腫を認めている32歳の初妊婦である。尿蛋白100mg/dlであり、妊娠高血圧症候群の診断基準を満たしている。現在も。血圧172/112mmHgと高血圧であり、視覚異常、腱反射の亢進があることから子癇が出現していると考えられる。
a フロセミドによる利尿作用により降圧は期待できるが、循環血液量減少により血液が濃縮される。妊娠高血圧症候群では凝固系は亢進しているため、使用は避けるべきである。
b 塩酸リトドリンは子宮収縮抑制薬であるが、切迫早産の兆候もなく、子癇にも対応できない。
c 正しい。子癇発作に対し硫酸マグネシウムは有用である。
d アンジオテンシン変換酵素阻害薬は妊婦へは使用できない。
e エルゴメトリン(麦角アルカロイド)は強力な子宮収縮薬であるが、分娩誘発よりもまず母体の発作抑制が優先される。

正答率:66%

テーマ:子癇の治療薬

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