101A6

生後3か月の乳児。昨日から左肩に紅斑が出現し、本日、全身に拡大傾向を認めたため来院した。顔面と胸部との写真(A、B)を別に示す。
正しいのはどれか。2つ選べ
溶連菌感染症である。
粘膜症状はまれである。
急性糸球体腎炎を続発する。
Nikolsky現象が陽性となる。
副腎皮質ステロイド薬が有効である。

解答: b,d

101A6の解説

乳児の全身性紅斑。Aでは痂皮を伴う顔面の紅色変化を、Bでは前胸部を中心とした広範な紅斑を指摘可能。ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群〈SSSS〉である。
a 溶連菌ではなく、ブドウ球菌感染症である。
b 正しい。粘膜症状は確かにまれである。が、「まれ」を正解にするところが若干意地悪さを感じさせる選択肢と言える。消去法でアプローチしよう。
c 急性糸球体腎炎を続発するのは溶連菌感染。溶連菌感染と勘違いして覚えているとa・cを選んでしまう、という誤答専用の組合せを用意しているあたり、若干意地悪さを感じさせる。正確に覚えよう。
d 正しい。Nikolsky現象(表皮をこすると容易に剥脱する)が陽性となる疾患として重要。
e 副腎皮質ステロイド薬は易感染性を呈するため、感染症には原則として禁忌。

正答率:53%

テーマ:ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群〈SSSS〉について

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし