101A31

10歳の男児。自転車走行中に自動車にはねられ搬入された。意識は混濁。血圧86/42mmHg。血液所見:赤血球290万、Hb7.2g/dL、Ht32%、白血球11,200、血小板15万。酸素吸入と輸液とを開始した後、緊急に行った腹腔動脈造影写真を別に示す。
対応として最も適切なのはどれか。
開腹手術
腹腔ドレナージ
血管内ステント留置
動脈塞栓術
血栓溶解療法

解答: d

101A31の解説

自転車走行中に自動車にはねられ搬入された10歳の男児。意識は混濁しておりショックバイタルとなっている。赤血球290万、Hb7.2g/dLと低下があることより出血性ショックであろう。腹部血管造影では左肝動脈から造影剤が漏出しており、肝動脈損傷に対して止血が必要な状態である。
a 血圧が低く、開腹手術に耐えない。また、せっかく造影検査でカテーテルを挿入しているためそのままdの塞栓術に移行するのがスマートだ。
b ドレナージでは止血できない。
c 血管内ステント留置は狭窄血管を拡張する際に行う。
d 正しい。現在挿入されているカテーテルの先端よりゼラチンスポンジやコイルといった塞栓物質を注入し、止血を図る。
e 血栓溶解療法により更なる出血を惹起しかねない。禁忌。

正答率:70%

テーマ:腹腔内出血への対応

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