101G14

72歳の男性。胸痛、咳および痰を主訴に来院した。2週前から右胸痛があり、次第に増強している。喫煙30本/日を50年間。意識は清明。身長163cm、体重53kg。体温36.0℃。脈拍60/分、整。血圧160/86mmHg。心音に異常を認めない。右肺尖部で呼吸音を聴取できない。尿所見:蛋白(−)、糖(−)、潜血(−)。血液所見:赤血球390万、白血球7,300、血小板17万。血清生化学所見:AST 36U/L、ALT 24U/L、LD 283U/L(基準176~353)。CRP 0.2mg/dL。心電図に異常はない。胸部エックス線写真を別に示す。
次に行う検査はどれか。2つ選べ
喀痰細菌検査
気管支鏡検査
胸部造影CT
肺動脈造影
胸腔鏡検査

解答: b,c

101G14の解説

胸痛、咳および痰を主訴とする72歳男性。2週前から右胸痛があり、次第に増強している。長期の喫煙歴を有する。胸部エックス線写真では右上葉の無気肺を認め、それに伴い右横隔膜が挙上している。長期の喫煙歴、右上葉無気肺から肺癌の可能性が挙がる。
a 発熱はなく、炎症反応の上昇もないことから感染症は否定的。
b 正しい。無気肺となりうる閉塞起点の精査や生検などを行える。
c 正しい。肺野の精査及び、リンパ節や遠隔転移の有無の評価のため胸部造影CTは有用。
d 肺動脈とは関係ないので不要。
e 現時点で胸腔内の評価は不要。

正答率:71%

テーマ:原発性肺癌に行う検査

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