101A19

32歳の女性。発熱と労作時呼吸困難とを主訴に来院した。1か月前に抜歯を受けたが、発熱が持続し、昨日から労作時呼吸困難が出現した。意識は清明。身長155cm、体重48kg。血液所見:赤血球330万、Hb 10.5g/dL、白血球14,500。CRP 11.2mg/dL。断層心エコー図(A)とドプラ図(B)とを別に示す。
この患者でみられないのはどれか。
蝶形紅斑
四肢動脈閉塞
指先の有痛性小結節
頭部MRAで脳動脈瘤の描出
血液培養でグラム陽性菌の検出

解答: a

101A19の解説

発熱と労作時呼吸困難とを主訴とする32歳女性。心エコー図(A)は僧帽弁に疣贅を認め、(B)では左室から左房に向けて逆流ジェットを認める。感染性心内膜炎〈IE〉と診断する。1か月前に抜歯を受けたことが感染のきっかであろう。
a 誤り。蝶形紅斑は全身性エリテマトーデス〈SLE〉の所見である。
b 疣贅が血流により四肢動脈に飛ぶことにより四肢動脈閉塞を来しうる。
c 指先の有痛性小結節はOsler結節でありIEの所見である。
d 感染性脳動脈瘤を認めることもある。
e 抜歯によって発症したIEの起因菌で多いのは、緑色連鎖球菌である。これはグラム陽性球菌である。

正答率:84%

テーマ:感染性心内膜炎〈IE〉の特徴

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