100A6

7か月の乳児。発熱を主訴に来院した。5日前から発熱が続き、昨日から発疹が出現している。体温39.4℃。全身に紅斑を認め、手背と足背とが腫れている。指圧痕は残らない。両側眼球結膜は充血し、口唇は発赤している。心雑音はなく、呼吸音も正常である。腹部は平坦、軟。肝を右肋骨弓下に2cm触知する。脾は触知しない。血液所見:赤血球390万、Hb 11.5g/dL、Ht 38%、白血球15,600(桿状核好中球19%、分葉核好中球48%、好酸球1%、単球5%、リンパ球27%)、血小板41万。CRP 16mg/dL。1か月前に接種したBCG接種部位の写真を別に示す。
まず投与するのはどれか。
抗菌薬
利尿薬
アスピリン
イソニアジド
副腎皮質ステロイド薬

解答: c

100A6の解説

発熱のある7か月の乳児である。5日前続く発熱、発疹の出現、両側眼球結膜の充血、口唇発赤、血小板41万、BCG接種部位の発赤と、川崎病の診断基準を満たしている。
a 川崎病は感染症ではないため、抗菌薬は無効である。
b 浮腫はあるも、原疾患の治療としては不要である。
c 正しい。抗炎症作用や冠動脈瘤の予防を狙い、アスピリンを投与する。
d イソニアジドは抗結核薬であり、呼吸症状から結核は否定的。
e 抗炎症作用目的で使用することもあるが、「まず」投与すべきものではない。

正答率:75%

テーマ:川崎病の治療薬

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