100H37

65歳の男性。夜半急激な下腹部痛が出現し、その後鮮紅色の下血があり救急車で搬入された。便秘の既往がある。脈拍92/分、整。血圧110/70mmHg。顔面蒼白。便は鮮紅色。血液所見:赤血球360万、Hb10.0g/dL、白血球9,000、血小板15万。血清生化学所見:総蛋白7.2g/dL、アルブミン3.5g/dL、総ビリルビン1.0mg/dL、AST 15U/L、ALT 30U/L。S状結腸部の大腸内視鏡写真を別に示す。
この疾患で正しいのはどれか。
注腸造影検査でapple-core signがみられる。
左側結腸に発生しやすい。
副腎皮質ステロイド薬の適応である。
再発しやすい。
予後は極めて不良である。

解答: b

100H37の解説

内視鏡写真では全周性に粘膜浮腫と発赤を認めており、現病歴と総合して虚血性腸炎の診断となる。
a apple-core signは腫瘍性病変で認める所見である。
b 正しい。脾彎曲部~S状結腸に好発する。
c 副腎皮質ステロイドは潰瘍性大腸炎〈UC〉やCrohn病に対する治療法である。虚血性腸炎は絶食・補液で軽快する。
d 再発はまれである。
e 予後は良好な疾患である。

正答率:63%

テーマ:虚血性大腸炎の特徴

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