あたらしい内科外科の内分泌代謝のテキスト「3.2Basedow病」の「周期性四肢麻痺」の項で,周期性四肢麻痺の原因として甲状腺機能亢進症に伴う低カリウム血症が日本では多いという記載がありますが,甲状腺機能亢進症による低カリウムとはいかなる機序で起こるのでしょうか?
国家試験を見返してみたところ,無痛性甲状腺炎,亜急性甲状腺炎,甲状腺癌など甲状腺機能亢進症状を呈する疾患ではカリウムについての記載すらなく,Basedow病の時のみカリウム低下の記載があるようなので,カリウム低下は甲状腺機能亢進症や甲状腺ホルモンによるものというよりむしろBasedow病や抗TSH抗体に特異的なものではないかと思いました.
甲状腺ホルモンがNa/K ATPaseに作用してKの細胞内取り込みを促進するからだと思います。
おそらくですが
電解質異常は他の代償機構(腎臓など)もありますから
この場合周期性四肢麻痺を引き起こすほどの低カリウム血症を引き起こすには
その代償が追いつかなくなるくらいの長期間・急激な甲状腺機能亢進症が原因となりやすいのかもしれません
だからBasedow病についての記述がまずあるのだと思います
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