109D41

64歳の男性。右片麻痺を主訴に来院した。6か月前から右足を引きずるようになった。2週前から右手で箸を持ちにくいことに気付き受診した。意識レベルはJCS I-2。脈拍68/分、整。血圧164/88mmHg。右同名半盲と右片麻痺とを認める。腱反射は右側優位に両側で亢進し、Babinski徴候は両側で陽性である。頭部造影MRI(A)と病変部のH-E染色標本(B)とを別に示す。
診断はどれか。
膠芽腫
髄膜腫
脳膿瘍
悪性リンパ腫
転移性脳腫瘍

解答: a

109D41の解説

高齢男性の右片麻痺。急速に発症した場合は脳梗塞を考えるが、このケースでは6か月前からみられている。画像Aにてring enhancementがある。この場合、①脳膿瘍、②膠芽腫、③転移性脳腫瘍の3つを考えることとなるが、転移性脳腫瘍を考えさせる原発巣もなく、脳膿瘍を考えさせる炎症所見もない。膠芽腫である。病理画像では偽性柵状構造や血管増殖がみられており、合致する。
a 正しい。上記の通り。
b・d これらではring enhancementをみない。また、造影効果も均一となることが多い。
c・e 上記より否定的。

正答率:85%

テーマ:膠芽腫〈グリオブラストーマ〉の診断

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