114C58

38歳の女性。下腹部痛を主訴に来院した。5年前から月経時に下腹部痛と腰痛を自覚するようになった。1年前から月経初日と2日目に仕事を休むようになった。3か月前から月経終了後に下腹部痛と腰痛が出現し仕事を休むようになった。月経は28日周期で整。持続5日間。現在妊娠希望はないが将来は妊娠したいと思っている。飲酒は機会飲酒。母は子宮筋腫で子宮摘出術を受けた。身長162cm、体重58kg。体温36.8℃。脈拍68/分、整。血圧108/76mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腹部に圧痛のある腫瘤を触知する。内診では、子宮は前屈で正常大。左右付属器の腫瘤はそれぞれ径10cmで圧痛を認める。Douglas窩に有痛性の硬結を触知する。下腹部MRIの矢状断像を別に示す。

治療法を決める上で考慮すべきなのはどれか。2つ選べ

身長
飲酒歴
家族歴
疼痛の強さ
妊孕性温存の希望

解答: d,e

114C58の解説

30代女性の下腹部痛。月経困難症がみられ、画像では両側卵巣に嚢胞性病変がみられている。子宮内膜症性嚢胞〈チョコレート嚢胞〉の診断である。治療方針決定には、年齢や症状、嚢胞の大きさ、挙児希望などが考慮される。
a 特に本疾患の治療方針決定とは関係しない。
b 特に本疾患の治療方針決定とは関係しない。
c 特に本疾患の治療方針決定とは関係しない。
d 正しい。症状が強い場合、手術や薬物療法など積極的治療を考慮する。
e 正しい。妊孕性温存の希望がある場合、嚢胞摘出術などの手術療法は第一選択とならない。

正答率:83%

テーマ:子宮内膜症性卵巣嚢胞〈チョコレート嚢胞〉の治療法決定で考慮すべき事項

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