111I68

12歳の男児。脱力発作を主訴に母親に連れられて来院した。2年前からハーモニカを吹いたときや熱いラーメンを食べたときに右または左手足の脱力が出現し、数分で改善するという発作が出現していた。最近は発作の頻度が増加しており月に2回程度みられるという。本日も体育の授業中に右手足の脱力と構音障害とが出現し、数分後に回復したが、心配した母親に連れられて受診した。意識は清明。体温36.2℃。脈拍88/分、整。血圧118/72mmHg。呼吸数18/分。神経学的所見、血液生化学所見、心電図および胸部エックス線写真に異常を認めない。頭部MRIのT1強調像(A)と左右の内頸動脈造影正面像(B)とを別に示す。

治療方針として適切なのはどれか。

血行再建術
腫瘍摘出術
動脈塞栓術
血栓溶解療法
ステント留置術

解答: a

111I68の解説

小児の脱力発作。「ハーモニカを吹いたとき」や「熱いラーメンを食べたとき(→フーフー吹くため)」に症状がみられていることから、もやもや病と考えられる。Aでは基底核周辺に脈管の増生を思わせるツブツブした影が、Bでは両側性にもやもや血管が描出されている。
a 正しい。もやもや病の治療は外科的な血行再建術である。
b 脳腫瘍への治療である。
c 出血性疾患や、多血性腫瘍のvolume reductionへの治療である。
d 血栓症への治療である。
e 血管狭窄への治療である。

正答率:84%

テーマ:もやもや病の治療方針

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