111G54

15歳の女子。不登校を主訴に母親とともに来院した。小学校高学年の頃から男みたいだと友達からからかわれるようになった。中学校入学後も、このような状態は続き、不登校がちになった。受診時、質問には的確に回答し、思路に問題はみられない。感情表出は自然である。学校に行かない理由を尋ねると「友達からいじめられるけど、あまり気にしてない。小学校は私服だからよかったけど、中学は制服で、スカートをはきたくない。生理も嫌だし、生理が始まったときは本当に辛かった。胸が膨らんでいるのを見られたくない。だから学校に行きたくない。こんなことを言っても分かってもらえないと思うので、誰にも言ってない」と述べる。身体的発達に明らかな異常を認めない。神経学的所見を含め身体所見に異常を認めない。

最も考えられるのはどれか。

性嗜好障害
妄想性障害
性同一性障害
自我同一性障害
パーソナリティ障害

解答: c

111G54の解説

女子であるが、女性的な面に対する嫌悪感・苦痛を感じている。性同一性障害が考えやすい。
a 性的嗜好の障害をみる。具体例としては小児性愛や露出症、痴漢などである。
b 妄想は思考の障害である。本患者では思路に問題はみられておらず、否定される。
c 正しい。上記の通り。
d 自分が人生に何を求めているのか、自分が今やっていることはそれでいいのだろうか、といった疑問を感じる状態。
e 若年期に形成された個性・性格(パーソナリティー)が原因となり、社会生活を営むのが困難となり、苦痛を感じる状況。15歳の段階ではパーソナリティーの形成途中であり、診断は下せない。

正答率:93%

テーマ:性同一性障害の診断

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