111F26

次の文を読み、26、27の問いに答えよ。

52歳の女性。耳鳴りを主訴に夫に伴われて来院した。

現病歴:2か月前から毎晩就寝時に心臓の鼓動が耳や頭の中でドクドクと響くように感じ、次第に寝付けなくなった。耳鼻咽喉科を受診したところ「耳鏡検査や聴力検査に異常はないので様子をみるように」と説明された。その後も改善がみられないため脳神経外科を受診したが「診察で神経学的所見に異常はなく脳血管障害の可能性は低いので再診は必要ない」と説明された。循環器内科も受診したが「心電図の異常もないので心臓の病気は心配しなくてもよい」と説明された。症状が改善しないため総合診療科を受診した。

既往歴:48歳から高血圧症で降圧薬を内服中。

生活歴:喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。

家族歴:父親が脳出血で死亡。

現 症:意識は清明。身長156cm、体重54kg。体温36.8℃。脈拍84/分、整。血圧148/88mmHg。呼吸数12/分。SpO2 98%(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。対光反射は正常。口腔内と咽頭とに異常を認めない。甲状腺腫と頸部リンパ節とを触知しない。頸動脈に雑音を聴取しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。

再び面接を行った。

医師 ①「あなたの症状についてご家族からもお話を伺えますか」

患者  「はい、後で待合室にいる主人から聞いていただければと思います」

医師 ②「あなたの症状についてご主人はどのように考えていると思いますか」

患者  「私の体調不良は気になっている様子です」

医師 ③「最初に耳鼻咽喉科を受診されたのですね」

患者  「はい、最初は耳のせいかと思っていました」

医師 ④「いろいろ診てもらった結果、耳鳴りの原因は何だと思いますか」

患者  「私は血圧が高く父も脳出血だったので、脳に異常がないか不安です」

医師 ⑤「しばらく様子をみてはどうかと思いますが、いかがですか」

患者  「やはり脳の異常が心配です」

現在の患者の解釈モデルを尋ねているのはどれか。

解答: d

111F26の解説

耳鳴りが気になっている52歳の女性。耳鼻科、脳外科、循環器内科にて精査の結果異常は指摘されていないが患者は納得できていない様子である。既往歴に高血圧症があり、I度高血圧を呈しているが、その他の現症に異常はみられていない。
a 家族からも話を聞くことは大切であるが、患者の解釈モデルを問う質問ではない。
b 夫の解釈を妻から聞いており、患者の解釈モデルではない。
c 経過を確認している。解釈モデルではない。
d 正しい。同じく111回では111C4でも出題があった。自分がどう考えるか、を聞いている。
e 今後の方針について患者の意向を聞いている。

正答率:96%

テーマ:【長文1/2】解釈モデルを尋ねている質問

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