111F16

「若い男性が乗用車を運転中に大型貨物自動車と衝突した」と消防に通報があり、消防指令は直ちに救命救急センターにドクターカーの出動を要請した。ドクターカーが現場に到着したときには閉じこめられていた運転者を救急隊が車外に救出したところであった。意識レベルはJCS II-30。体温36.0℃。心拍数88/分、整。血圧144/80mmHg。呼吸数24/分。SpO2 92%(room air)。頭部に挫創を認める。右下腿骨の骨折を認める。

現場でまず行うべき処置はどれか。

気管切開
酸素投与
挫創部の縫合
腹部超音波検査
中心静脈路確保

解答: b

111F16の解説

交通外傷でドクターカーの出勤が要請された。設問文に注目しよう。あくまで現場で優先される処置を考えることとなる。
a 意識レベルはJCS II-30ではあるが消失しておらず、気道熱傷や気道閉塞を疑う所見もないのでまずは酸素投与を行う。その後酸素化が不良の場合は気管挿管を検討する。
b 正しい。SpO2が92%であり、まず酸素を投与する。このような緊急性を要する場合は現在の状況を改善するために、簡便にできることから始める。
c 頭部の挫創自体は致命的とならないのでバイタルが安定してから縫合すればよい。
d 高エネルギー外傷の場合にはFASTを行い出血の有無を確認することは大切である。しかしながら現時点で血圧は保たれているのでまずは酸素化を優先する。
e 搬送先の病院で確保することはあるが、現場で行う処置ではない。末梢路で十分であるし、ショック状態でもないので優先度は下がる。

正答率:91%

テーマ:交通外傷の現場でまず行うべき処置

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