111E42

79歳の女性。昨夜から発熱していると連絡があり主治医による往診となった。7年前に脳梗塞を発症し、1年前から診療所の医師が主治医として訪問診療を行っている。要介護度は4で、1日中ベッド上で過ごしている。排泄、清拭、食事などには全面的な介助が必要である。高齢の夫と2人暮らしで、訪問介護サービスを利用している。認知症はなく、夫にこれ以上介護の負担をかけたくないと話している。意識は清明。身長143cm、体重38kg。体温38.2℃。脈拍88/分、整。血圧88/52mmHg。呼吸数24/分。SpO2 88%(room air)。口腔内と皮膚は乾燥し、右胸部にcoarse cracklesとrhonchiとを聴取する。

対応として適切なのはどれか。

ショートステイを紹介する。
地域医療支援病院へ紹介する。
ケアプランの見直しを指示する。
在宅のまま抗菌薬の経口投与を行う。
特別養護老人ホームに緊急入所させる。

解答: b

111E42の解説

79歳女性の発熱。脱水があり、聴診所見からは肺炎が考えやすい。市中肺炎の入院適応を決めるスコアではCURB65にて2〜3点(尿素窒素〈BUN〉の記載がないため表面的には2点、しかし脱水があるため実質的には3点)、A-DROPにて4点と評価でき、入院適応となる。
a 状態が悪く、ショートステイの利用は困難であろう。
b 正しい。入院が必要と考えられ、地域医療支援病院(地域のかかりつけ医を支援する病床数200床以上の病院)へ紹介すべきである。
c 急性期の今わざわざ行うべきことではない。
d・e 在宅や特別養護老人ホームでは現在の病態に対応できない。
107B43109G41、そして本問と2年周期(?)で出題されている。

正答率:91%

テーマ:肺炎をきたした患者に往診医が行う対応

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