111D28

23歳の男性。めまい、右難聴および右耳鳴りを主訴に4日前から入院中である。5日前に海外旅行から帰国した。4日前の起床時に右耳でパチンという音がした直後から急に浮動感、右難聴および右耳鳴りが出現した。様子をみていたが軽快しないため同日の午後に受診した。来院時、純音聴力検査で右軽度感音難聴を認めた。頭位変換眼振検査で左向きの水平自発眼振を認めた。右外耳道を加圧すると右向き水平眼振を認めた。即日入院となりベッド上安静で副腎皮質ステロイドと抗めまい薬が投与されたが症状は改善せず、悪心と嘔吐とを伴うめまいは増悪している。本日の純音聴力検査では聴力がさらに低下しており右高度感音難聴を認める。入院時と本日(入院4日目)のオージオグラムを別に示す。

診断はどれか。

Ménière病
突発性難聴
外リンパ瘻
聴神経腫瘍
上半規管裂隙症候群

解答: c

111D28の解説

右耳でパチンという音(pop音)がした直後からめまい(浮動感)、難聴、耳鳴りがみられている。オージオグラムでは入院時にみられていた感音難聴が、入院4日目には増悪している。外リンパ瘻の診断。なお、「外耳道を加圧すると水平眼振」という記載は瘻孔現象を示す。
a 反復するめまいと難聴をみる。また、難聴は低音域優位で、増悪する傾向はない。pop音や瘻孔現象はない。
b pop音や瘻孔現象はない。
c 正しい。上記の通り。
d pop音や瘻孔現象はない。また、めまいもみられにくい。
e 上(前)半規管をおおう骨に欠損ができることで、難聴やめまいをみる病態(原因不明)。瘻孔現象はみられるも、眼振は垂直回旋混合性であり、pop音はない。

正答率:88%

テーマ:外リンパ瘻の診断

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