110I46

27歳の女性。4日前から悪心が出現したため来院した。嘔吐はなく食事摂取はなんとか可能であるという。最終月経は6週前、月経周期は28〜35日型、整。皮膚と口腔粘膜は乾燥していない。尿所見:比重1.014、蛋白(―)、糖(―)、ケトン体(―)。尿妊娠反応陽性。経膣超音波検査で子宮内に胎嚢を認める。
悪心への対応に関する妊婦への説明で適切なのはどれか。
「絶食したほうがいいです」
「食事は高脂肪食にしてください」
「吐き気止めの薬を飲んでください」
「何回かに分けて少しずつ食べてください」
「ビタミンAを積極的に補給する必要があります」

解答: d

110I46の解説

尿妊娠反応が陽性であることから、妊娠初期と分かる。4日前から悪心が出現しており、妊娠悪阻を疑う。
a 絶食をすると必要な栄養素が欠乏し、妊娠継続に悪影響を及ぼしてしまう。
b 悪心が出現している妊婦に高脂肪食を食べさせるのは酷だろう。栄養的にも特に脂肪を多くする必然性はない。
c 「吐き気止めの薬を処方します」なら分からなくもないが、「飲んで下さい」という指示は「勝手に市販薬を買って飲め」という響きがある。胎児に悪影響を及ぼしかねない薬剤も存在するため、処方するのであれば医師が責任を持って行うべき。また、現在は脱水症状もなく症状は軽度であると考えられ、その観点からも制吐薬は不要と思われる。
d 正しい。一度に食べるのが困難であれば、こまめに食事を摂取するよう指導する。
e 欠乏しやすいのはビタミンB1である。ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため体内に蓄積し、胎児に悪影響を及ぼす可能性がある。

正答率:96%

テーマ:妊娠悪阻を訴える妊婦への説明

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