110H23

指導医、研修医および看護師の3人が救急外来で夜間当直中に、胸痛と呼吸困難とを訴える50歳の男性が搬入されてきた。研修医が心電図モニターの装着、静脈路確保などの処置を行っていたところ、患者が心肺停止状態となり、指導医が胸骨圧迫を開始した。心電図モニター上、心室細動を認めた。一時的な胸骨圧迫の中断のもと、研修医が150Jで電気的除細動を行った直後、患者の傍らにいた看護師が突然、意識を消失して倒れた。研修医が確認したところ看護師の呼吸は停止し、脈を触知しなかった。
この看護師の病態として、まず想起すべきなのはどれか。
心室細動
房室ブロック
くも膜下出血
急性冠症候群
神経失調性失神

解答: a

110H23の解説

電気ショックの副次受傷。おそらくは看護師が患者に手を触れており、通電に巻き込まれてしまったのであろう。なお、本問では問われていないが、対応としては救急の考え方の原則どおり、副次受傷した患者(このケースでは看護師)を優先して救命することとなる。
a 正しい。健常人に電気ショックを与えると心室細動を惹起し、意識消失する可能性が高い。
b 房室ブロックであれば脈は触れることが多い。また頻度としてもaよりみられる可能性が低い。
c〜e 電気ショックの副次受傷による病態としては考えにくい。

正答率:80%

テーマ:除細動の副次災害でまず想起すべき病態

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