110H22

45歳の女性。腹部膨満感と胆汁様消化液の嘔吐とを主訴に来院した。2か月前に胃癌による癌性腹膜炎と診断され、本人と家族とに数か月の予後と告知されていた。2週前から腹痛に対しオピオイドが投与されており、1週前から排便や排ガスがなくなり、時々、胆汁様消化液の嘔吐がある。るいそうが目立ち、腹部は膨満し、腸雑音が減弱している。腹部エックス線写真で小腸ガスを伴う腸管拡張像が観察され、大腸のガス像を認めない。治療方針について、緩和ケアチームの中で消化器疾患の担当医と緩和ケアの担当医の意見が一致しない。
対応として適切なのはどれか。
他院のセカンドオピニオンを求める。
緩和ケアの担当医の意見を優先させる。
消化器疾患の担当医の意見を優先させる。
患者、家族および緩和ケアチームで話し合う。
在宅ケア担当のかかりつけ医が単独で方針決定する。

解答: d

110H22の解説

チーム間の担当医の意見が一致しないケースの対応を問う、実臨床に即した問題。
a 自院のチーム間での問題であるため、他院にセカンドオピニオンというのは筋が違う。
b・c どちらのチームの意見も対等であり、いずれかを優先させるという性質のものではない。
d 正しい。もっとも無難な本選択肢を選ぶこととなる。
e チーム医療を行っているにも関わらず、とある医師が単独決定する、というのは筋が違う。

正答率:96%

テーマ:緩和ケアチーム内で意見が一致しない場合の対応

フォーラムへ投稿

関連トピック

なし