110G9

机に頭をぶつけて泣き止まないため2歳の男児が母親に連れられて深夜の救急外来を受診した。頭部に皮下血腫を認めず、受傷後のけいれん、嘔吐や意識障害は確認されていない。患児の栄養状態、活動性は良好で来院時は泣きやみ、神経学的所見に異常を認めない。母親から「心配なのでCTを撮ってほしい」と依頼された。
この時点での母親への説明として適切なのはどれか。
「先に頭部エックス線写真を撮りましょう」
「ご希望ですので、すぐにCTを撮りましょう」
「被ばくがあるのでCTではなくMRIを撮りましょう」
「診断精度を高めるため造影剤を注射しながらCTを撮りましょう」
「受傷状況や診察所見から現時点でCTを撮る必要はないと判断します」

解答: e

110G9の解説

心配なので、子供の頭部CTを撮影してほしいと言う母親への対応。総論ブロックでの出題となったが、元々は必修問題として作成された可能性が高い。
a 頭蓋内出血は頭部エックス線写真では判別不能。
b 病院経営者の経済論的には正しい。が、少なくとも医師国家試験の正答ではない。
c このような対応をとる医師もいるだろう。そしてそれを行ったから罪に問われるといった性質の議論ではない。が、少なくとも医師国家試験の正答ではない。
d 頭蓋内出血の有無を判別するために造影までは不要であろう。
e 正しい。医師国家試験で得点を確保するためには本選択肢を選択すべきである。
※本解説をお読みいただいている読者には「説明が面倒なのでとりあえずCT! 子供の被曝なんて知ったこっちゃない。ああ、早く家に帰りたい」なんていう医師にはならないでほしいものだ。

正答率:86%

テーマ:CT撮影を依頼された際の対応

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