110F4

血液生化学検査について正しいのはどれか。
食後の採血では血清K 値は上昇している。
血清Na値と血清Cl 値の差は48前後が正常である。
高Na血症を認めた場合、まず行うべきなのは塩分制限である。
血清Ca値の異常を認めた場合、血清蛋白の異常の有無を確認する。
血清P値の異常を認めた場合、次に確認すべき電解質は血清Na値である。

解答: d

110F4の解説

a 食物中にKが含まれるため、血清中で上昇する方向にも一部働く。しかしながら、食事摂取により上昇した血糖を細胞内へ取り込む際にKを使用するため血清中で低下させる方向に強く動く。結果として血清K値は低下する。
b AG = Na - (Cl + HCO3-)。基準値(AGに12、HCO3-に24)を代入すると、Na - Cl = 36となる。
c 日常的に頻度が高く、かつ重症例では生命の危機に至りかねない脱水により高Na血症を呈しているケースを例に挙げて考えると良い。塩分制限ではなく、水分補給をまず行うべきである。
d 正しい。アルブミンが低値の場合、補正Ca = 実測Ca +4 -Alb、という補正式が用いられる。
e 血清CaとPの積は健常人では一定となることが知られており、次に確認すべきは血清Ca値と言える。
※本問を改変したと思われるのが、111H19(難問であり採点除外となった)である。

正答率:80%

テーマ:電解質異常とその理解・対応

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