110E64

次の文を読み、64〜66の問いに答えよ。
60歳の男性。胸部痛を主訴に来院した。
現病歴:1か月前から持続性の右胸部痛が出現した。1週前から息切れも自覚するようになった。自宅近くの医療機関を受診し、胸部エックス線写真で異常を認めたため紹介されて受診した。
既往歴:胃潰瘍の治療歴あり。
生活歴:喫煙は20本/日を40年間。飲酒はビール350mL/日を40年間。
家族歴:父親が糖尿病で治療中。
現症:意識は清明。身長161cm、体重59kg。体温36.6℃。脈拍80/分、整。血圧126/82mmHg。呼吸数20/分。SpO2 97%(room air)。心音に異常を認めない。呼吸音は右側で減弱している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。
検査所見:血液所見:赤血球480万、Hb 15.4g/dL、Ht 44%、白血球8,500、血小板40万。血液生化学所見:総蛋白7.3g/dL、アルブミン3.0g/dL、総ビリルビン0.4mg/dL、AST 25U/L、ALT 25U/L、LD 337U/L(基準176〜353)、ALP 369U/L(基準115〜359)、γ-GTP 60U/L(基準8〜50)、尿素窒素10mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、尿酸5.8mg/dL、血糖96mg/dL、Na 140mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 105mEq/L、CEA 1.7ng/mL(基準5以下)、CYFRA 1.1ng/mL(基準3.5以下)、CA19-9 8.8U/mL(基準37以下)。CRP 4.6mg/dL。胸部エックス線写真(A)と胸部CT(B)とを別に示す。
診断のため追加して確認すべきなのはどれか。
職業歴
手術歴
海外渡航歴
歯科治療歴
ペット飼育歴

解答: a

110E64の解説

本文中に特異的な情報はない。現症にある「呼吸音は右側で減弱」という記載から画像をみると、Aでは右中〜下肺野の透過性が低下しており、Bでは右胸膜に全周性の肥厚がみられる。胸膜中皮腫を考えたい。
a 正しい。石綿曝露を考えさせる職業歴がないか聴取すべきであろう。
b〜e 胸膜中皮腫とは関係がない。

正答率:93%

テーマ:【長文1/3】胸膜中皮腫患者に聴取すべきこと

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