110D58

58歳の男性。PSA高値を指摘され来院した。7年前から人間ドックで定期的にPSAを測定していたが基準値を超えたため受診した。排尿障害を認めない。直腸指診で前立腺はくるみ大、弾性硬で両葉に小結節を触知する。PSA 6.5ng/mL(基準4.0以下)。骨盤部MRIのT2強調像で前立腺辺縁領域に低信号を認めるため前立腺生検を施行した。病理診断では前立腺左葉の6本中2本、右葉の6本中1本に中分化腺癌(Gleason score 4+4)を認める。骨シンチグラフィでは異常な集積を認めない。
対応として適切なのはどれか。2つ選べ
放射線療法
抗癌化学療法
PSA監視療法
前立腺全摘除術
分子標的薬投与

解答: a,d

110D58の解説

前立腺生検で中分化腺癌の診断はついている。
a 正しい。前立腺癌に放射線療法は有効。
b 骨転移を認めておらず、抗癌化学療法は適応とならない。
c 高齢者で偶発発見された早期の前立腺癌に対して有効。本患者ではすでに7年前からPSAをフォローアップされており、不適切。
d 正しい。放射線療法のほか、外科的手術も有効。
e 腎細胞癌に有効。

正答率:68%

テーマ:前立腺癌への対応

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