110D54

60歳の男性。気が遠くなるようなめまいが出現したことを主訴に来院した。この症状は1週前から1日に1、2回自覚している。めまいの発作の出現は立位動作とは関係がなく、歩行中や座位でも生じるという。失神はない。高血圧症、左室肥大、胃潰瘍および脂質異常症で内服治療中である。意識は清明。身長169cm、体重65kg。体温36.2℃。脈拍60/分、整。血圧148/82mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。神経学的所見に異常を認めない。血液生化学所見に異常を認めない。心電図は洞調律、心拍数60/分でPQ時間が0.24秒(基準0.12〜0.20)である。その他に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。心エコーで異常を認めない。Holter心電図におけるめまい自覚時の記録を別に示す。
内服を中止する必要があるのはどれか。
α遮断薬
β遮断薬
HMG-CoA還元酵素阻害薬
ヒスタミンH2受容体拮抗薬
アンジオテンシンII受容体拮抗薬

解答: b

110D54の解説

心電図より高度房室ブロックの診断。これによるめまいがみられている。複数の薬剤を服用しており、房室ブロックをきたした原因を考えさせる問題。
a 起立性低血圧症の原因とはなるが、房室ブロックはみない。
b 正しい。β遮断薬には房室伝導を抑制する作用がある。
c 横紋筋融解症などの副作用が有名。
d 眠気、口渇、排尿障害などの副作用が有名。
e 高カリウム血症の副作用が有名。高カリウム血症では心電図でテント状T波がみられる。

正答率:93%

テーマ:薬剤性房室ブロックへの対応

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