110D49

10歳の男児。左膝の痛みを主訴に来院した。3か月前にサッカーの練習中に膝の痛みを自覚した。その後、徐々に疼痛が強くなり腫脹も出現したため自宅近くの診療所を受診していた。左膝関節エックス線写真で異常陰影が認められたため、紹介されて受診した。荷重時に疼痛があり、松葉杖をついている。左の大腿遠位から膝にかけて腫脹があり、同部にびまん性に圧痛を認める。安静時痛は軽度で、左膝関節の自動可動域は伸展-30°、屈曲90°である。赤沈7mm/1時間。血液所見:赤血球502万、Hb 13.6g/dL、白血球8,900。血液生化学所見:LD 417U/L(基準176〜353)、ALP 1,259U/L(基準359〜1,110)、プロカルシトニン0.05ng/mL以下(基準0.05以下)。CRP 0.9mg/dL。左膝関節エックス線写真正面像(A)と側面像(B)とを別に示す。
最も考えられる疾患はどれか。
骨肉腫
疲労骨折
骨端離開
骨軟骨腫
硬化性骨髄炎

解答: a

110D49の解説

10歳男児の膝痛。A, Bにて骨硬化像と骨膜反応がみられる。骨原発の悪性腫瘍を考える。骨肉腫が代表例である。
a 正しい。厳密な診断には病理所見が必要であるが、b〜eが悪性腫瘍でないため、aを正答として選択することとなる。
b 骨折は指摘できない。
c 10歳男児として、骨端は正常である。
d 良性腫瘍である。
e 白血球やプロカルシトニンが上昇していない。骨髄炎は否定的。

正答率:66%

テーマ:骨肉腫の診断

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