110A47

6歳の女児。けいれん発作の原因精査のため母親に連れられて来院した。昨夕、急に口から唾液を流して右の口角が引きつった後、全身けいれんへと進展する発作が起きた。発作は3分ほどで自然に止まったが、母親が救急車を要請した。搬入時には意識は清明で、神経学的異常を認めなかったため、特に検査や治療を受けずに帰宅した。本日経過観察のため受診した。3か月前にも同じような発作を起こしたことがあるという。それ以外の既往歴と家族歴とに特記すべきことはない。神経学的所見を含め身体所見に異常を認めない。本日施行した脳波(双極誘導)を別に示す。
この患児で正しいのはどれか。
発達の遅れを伴う。
睡眠時に発作が多い。
ACTH療法の適応である。
過呼吸によって発作が誘発される。
頭部MRIに異常を認めることが多い。

解答: b

110A47の解説

口角に端を発する全身けいれん。発作の持続は3分ほどだという。脳波では中心部と側頭部に棘波(とそれに続く徐波)がみられており、中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん〈Rolandてんかん〉の診断となる。
a 予後は良好な疾患であり、発達の遅れはない。
b 正しい。Rolandてんかんについての記載である。
c West症候群〈点頭てんかん〉についての記載である。
d 欠神発作についての記載である。
e 予後は良好な疾患であり、頭部MRI異常は出現しない。

正答率:14%

テーマ:中心・側頭部に棘波をもつ良性小児てんかん〈Rolandてんかん〉について

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